
はじめに
ED治療薬であるバイアグラ(ジェネリックではシルデナフィル)について、どんなお薬かご説明致します。
バイアグラはED治療薬で全3種のED治療薬の1種です。ファイザー社が1999年に、世界で初めてED(勃起不全)に効果のある医薬品として発売したED治療薬で、有効成分は「シルデナフィル」です。
ED治療薬はバイアグラ以外にもレビトラ、シアリスがあります。
販売名である「バイアグラ」はファイザーの所有する商標登録名です。
バイアグラについて簡単に説明します
バイアグラはもともと、狭心症の治療薬として研究・開発が始まった薬です。
その臨床試験の中で、僅かながら陰茎の勃起を促進する作用が認められ、これを適応症として発売されることになりました。
しかし、効果は「勃起機能の改善」です、「バイアグラを飲むと勃起し続ける」「バイアグラには興奮作用がある」と思われる方がいますが、これは間違いです。
もう少し詳しく説明すると
そもそも勃起とは陰茎の海綿体に血液が十分に流れ、陰茎が大きくなることで生じます。
そして、海綿体へ血液が流れるためには、海綿体を囲んでいる海綿体平滑筋という筋肉が緩む必要があります。
この筋肉を緩める効果を持つのがバイアグラです。
ED治療薬で知られているバイアグラは、医学的には「PDE5阻害薬」といわれている薬です。これは他のED治療薬レビトラ、シアリスも同様に呼ばれています。
cGMPという物質が海綿体平滑筋を緩める効果を持ちます。
しかし、cGMPはPDE5という酵素に分解されてしまいます。
そして、バイアグラはこのPDE5という酵素を阻害することで海綿体平滑筋を緩めます。
その結果、勃起が改善します。但し、性的な気分を高揚させる効果はありません。
バイアグラの使い方
では次に、バイアグラを服用する際に知っておきたいことについてご説明します。バイアグラは最も古いED治療薬であるため、効果についてはしっかりとした実績があります。
バイアグラの特徴として、大切なことは主に以下の3つです。
飲んでから1時間程で効果が出始めます
・水がない場合には清涼飲料水、お茶でも問題はありません。
※ただし、脂肪分が含まれる飲料、例えば牛乳などはお止め下さい。薬の吸収を妨げる可能性があります。
・グレープフルーツジュースで服用すると薬が効きすぎたり、思わぬ副作用が発現するリスクがあるため危険です。
・バイアグラ錠の効き方には個人差があります。
作用持続時間は4〜5時間程度です
処方された量以上を服用する事で、効果が増大する事はありません。
また、1日1回までの服用とし、服用後は次に飲むまでに24時間以上はあけて下さい。
食事の影響を受けやすい
食後に服用すると、薬の成分が体に吸収され難くなり食前(空腹時)に比べて、かなり効果が落ちます。
なので、食前の服用をおすすめします。
バイアグラの副作用
バイアグラには副作用が表れる場合があります。バイアグラの効果は先述の通り、陰茎への血流を増やすことで生じます。
そのため、副作用は陰茎以外の部分にまで血流が増えてしまうことで生じます。
副作用としては以下の症状で「顔がほてる」「消化不良」「頭痛」「気分が悪くなる」など。頭痛に関しては市販の鎮痛薬であるロキソニンなどで対応が可能であるため、心配しすぎることはありません。
また、一時的ではありますが、眼に影響が表れる事もあり、色が変化して見えたり、光に過敏なったりする方もいます。長期に服用される場合には、眼の検査などについて医師にご相談下さい。
また、こうした症状の他にも、副作用があらわれる事がありますので、異常を感じた時は服用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。
なお、バイアグラ錠を服用して4時間以上経っても勃起が続く場合はペニスが損傷し勃起機能を失う事もありますので、すぐに医師に連絡して下さい。
バイアグラと一緒に飲んではいけないお薬は?
特に硝酸薬ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等(飲み薬・舌下錠・貼り薬・注射・吸入剤など)を使っている方は、決してバイアグラを服用しないでください。
例えば、狭心症の発作の治療によく処方されるニトログリセリンを飲んでいる方、貼り薬を貼っている方、吸入している方などは、血圧が危険なレベルまで下がり、死に至ることがありますので、絶対にバイアグラを服用しないでください。
よってお使いのお薬の中に硝酸剤が含まれていないかどうかを確認するために、ご来院の際に 服用しているお薬のある方は、必ずそのお薬名がわかるようにしてきてください。
バイアグラを処方できない方は?
こんな方は処方できません
バイアグラの成分に対して過敏症の既往歴のある方,医師から心血管系障害などの理由により、性行為が不適当だと診断された方,低血圧の方(とくに最大血圧が90mmHg未満または最小血圧が50mmHg未満の方)や高血圧の方(最大血圧が170mmHg以上または最小血圧が100mmHg以上の方),脳梗塞・脳出血・心筋梗塞の既往歴がある方,医師から網膜色素変性症(進行性の夜盲)と診断された方
また、腎臓の病気、肝臓の病気、赤血球の異常(鎌状赤血球性貧血)、白血病、多発性骨髄腫、血が止まりにくい病気、薬物アレルギー、胃・十二指腸潰瘍、遺伝性の目の病気、陰茎に関する病気または奇形のある方、他の勃起不全治療薬・勃起補助器具を使用している方や手術を受けた方。
以上の方は、必ず医師にご相談下さい。