呼吸器診療関連コラム
RESPIRATORY CARE
呼吸器診療に関する様々なコラムを 専門医師が徹底解説します。
呼吸器診療に関する様々なコラムを 専門医師が徹底解説します。
最終更新日:2021年7月21日呼吸器診療
2020年9月25日
これまで「PCR検査」という言葉を聞いたことがなかった人まで知るようになったワードですが、実際にPCR検査って何なんだ?と言われると、よく分からない方が殆どでしょう。
PCR検査とは、”polymerase chain reaction”の頭文字を取ったものです。
「ポリメラーゼ」とは、遺伝子の見取り図であるDNAやRNAのコピーをつくる酵素のことで、PCR検査はこのポリメラーゼを使ってDNAやRNAを増幅させて、病原体の正体をつかむことを目的としています。
人間に感染したウイルスの量は少なくても、それを増幅させてコピーを沢山作ることで分析を可能にさせるのですが、PCR検査によって作られる遺伝子のコピーの数は数百万から数十億倍!なので、非常に少量のDNAサンプルであっても、PCRを経ることで分析が可能になる場合があります。
新型コロナウイルスに限らず、結核や麻疹など他の感染症の検査にも用いられますし、法医学などの分野では、犯人の証拠として極微量のDNAしか入手できない場合でも解析に繋げられるなど、特に重要な検査です。
それ以外にも、例えば数万年前の古代の生き物の組織から採取したDNAの分析などにも威力を発揮します。
新型コロナウイルスのPCR検査は、ヒトの鼻腔粘膜から採取した分泌液や唾液を検体として検査にかけて、コロナウイルスが中に含まれるのかどうかを調べて確定診断に繋げます。
つまり、きちんとした方法で検体を採取しないとコロナウイルスを検出できません。
当初は鼻腔にスワブという綿棒を突っ込んで検体を採取していましたが、鼻腔粘膜から採取したものを用いた場合と、唾液を用いた場合とで、PCR検査の感度は変わりがないという研究結果が得られたため、現在では「痛くない検査」として唾液によるPCR検査が広く行われており、当院でも唾液によるPCR検査を採用しています。
第1波が押し寄せていた2020年の3~5月ころ、「PCR検査を受けたくても受けられない」という声をよく耳にしました。
当時関西のある総合病院で勤務していましたが、新型コロナウイルスのPCR検査を全て保健所など公的機関が取り仕切っていたためキャパシティが低く、医師がCOVID19を疑っても、症状が乏しかったり濃厚接触者ではなかったりした場合はなかなか検体を提出させてもらえなかった事を鮮明に覚えています。
その後、民間の検査会社でも新型コロナウイルスのPCR検査を扱うことができるようになり、今では医師が必要と判断した場合は100でPCR検査を行うことができるようになっています。
PCR検査を受けるにあたって大切なことは、①「何のために受けるか?」と、②「その結果をどう解釈するか?」です。
例えば、全くの無症状の一般市民であるあなたが、PCR検査を受ける必要はあるのでしょうか。それは、NOです。
2020年6月における新型コロナウイルスの抗体保有者の割合は、東京で0.1%、大阪で0.17%でした。
抗体保有者というのは過去の感染を示すものであり現在の感染者を示唆するものではありませんが、これだけ流行しているといっても日本においてはCOVID19の有病率は極めて低いということになります。
つまり、陽性と出る「事前確率(前もっての見込み)」も極めて低く、検査の感度(感染者をきちんと陽性と判定する精度)も7割程度なので、無症状の人はそもそも殆どの人が陰性になります。
「発症していないだけ、症状が出ていないだけかもしれないじゃないか。PCR検査をしたら、無症状のウイルス保有者を拾い上げられたり、発症する前で感染力のある人を拾い上げられたりするかもしれないじゃないか」とお思いかもしれません。
しかし、その希望・願望も虚しく、新型コロナウイルスのPCR検査は、「発症はしていないけど感染力のある人」に対してPCR検査を行っても偽陰性の確率が高い、ということが明らかになっています。なので、拾い上げられる可能性も残念ながら低いのです。なのでPCR検査は「発症している人」「濃厚接触者」、そして「感染地域に居る人」「感染リスクの高い職業に就いている人」であれば行う意味があると言えます。
「感染地域に居る人」や「感染リスクの高い職業に就いている人」の定義は定められていませんが、繁華街の飲食店、居酒屋、接待を伴うクラブ、風俗店などで勤務する人や、その地域に出入りする人は、それに当てはまると言えるかもしれません。
診療時間 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~12:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
13:00~18:00 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
18:00~22:00 | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
夜診は、火曜日・木曜日は19時から22時
水曜日は18時から22時
金曜日は18時から20時までの診療です。
休診日 : 祝日
※当院はビルの3階ですが、エレベーターがありません。急な階段ではありませんが、職員の数も限られており、階段を上るお手伝いすることができませんので、自力で上がれない方は、大変申し訳ございませんが来院をお断りさせていただいております。
2023 9月 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1
|
2
|
3
|
||||
4
|
5
|
6
|
7
|
8
|
9
|
10
|
11
|
12
|
13
|
14
|
15
|
16
|
17
|
18
|
19
|
20
|
21
|
22
|
23
|
24
|
25
|
26
|
27
|
28
|
29
|
30
|