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気になる、新型コロナワクチンについて 有効性は?安全性は?

最終更新日:2021年7月21日呼吸器診療

気になる、新型コロナワクチンについて有効性は?安全性は?

2021年1月15日

COVID19に対する特効薬が見つからないまま、1年が過ぎようとしています。
皆さん、新型コロナウイルスに対するワクチンについてとても興味があるのではないでしょうか。

本日は、日本で接種がこれから始まる新型コロナウイルスワクチンについて説明します。

このページ
に書かれていること

感染症とは何か

ワクチンとは何か

新型コロナウイルスのワクチンにはどのようなものがあるか

mRNAワクチンとは

ベクターワクチンとは

そもそも感染症とは

感染症は「感染源」「宿主」「感染経路」の3要素が揃って、完成します。
つまり、コロナウイルスという病原体があり、人間という宿主に感染し、ヒトからヒトにうつすのです。

新型コロナウイルスの場合でも、
「感染経路を断つ」=都市のロックダウン、行動自粛、3密を避ける、マスクを装着する

「感染源(感染者)を隔離する、感染者が触った物を消毒する、標準予防策としての防御具を装着する」

「宿主(感染した人間)を薬で治癒させる、宿主がワクチンで抗体を獲得する、宿主の大多数が感染してしまって抗体を獲得する、宿主が死亡して感染性がなくなる」
など、すれば、感染症は流行しなくなります。

それぞれにおいて問題点を解決しようとしていますが、都市のロックダウンや行動自粛を行うと、経済が回らなくなります。

3密を避けるように呼びかけても、いまだに不要不急な複数人での飲み会を行う人は居ます。

感度が100%でないPCR検査を受けて、その陰性の結果を以て安心して帰省したり遊びに行ったりして、でも実は検査で拾い上げられない病原性をもった状態であれば、人と接すれば感染が広がってしまいます。

マスクの装着はある程度定着しましたが、全く意味のないマウスシールドを用いる政治家や芸能人がテレビには出ています。

感染した人が勝手にきちんと治ってくれればいいですが、一定数の人が重症化して死に至るCOVID19を放置することは出来ませんし、治療薬はまだ開発されていません。

世の中に新型コロナウイルスの感染者は溢れており、収容する病院も限られているので、医療体制は逼迫している現状です。

出来るだけこの感染症の流行をストップさせたいという人類の願いに応えるために、今望みをかけているのが新型コロナウイルスのワクチンです。

まず、ワクチンの「効果」を知っておきましょう。

「ワクチンを接種すると95%の予防効果がある」とは具体的にどういう意味なのか?

ワクチンの効果 vaccine efficacy (VE) とは,「接種しなかったので感染した人数」から「接種したけど感染した人数」への「割引率」、のことです。

どういう意味かというと、

10000人の人にはプラセボ、10000人の人には本物のワクチンを接種させます。

その後、プラセボの群からは100人の感染者が現れ、本物の群からは5人の感染者が現れたとします。

すると、10000人中100人(100/10,000=1.00%)感染していたところが、10000人中5人(5/10,000=0.05%)に減ったということで、(1.00 – 0.05)÷1.00=0.95 、つまり95%の効果があるという意味になります。

日本で接種されるワクチンは?

日本では

  • ・Pfizerワクチン
  • ・Modernaワクチン
  • ・AstraZenecaワクチン

の3種類が入ってくることが、決まっています。

3ワクチンのうち,PfizerワクチンとModernaワクチンは「mRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)」で、残るAstraZenecaワクチンは「ウイルスベクターワクチン」です。mRNAワクチンはヒトでの実用化は史上初,ウイルスベクターワクチンはヒトへの実用化は2例目でありどちらも最先端の技術を用いたワクチンです。

mRNAワクチンとは?

mRNAとは、生物のもつDNAの情報を運ぶ、運び屋です。
生物の遺伝情報はDNAに書き込まれていますが、遺伝子のDNAを読み取るときには、DNAの二重らせん鎖を一度ほどいて,読み取った場所のDNAの配列にマッチしたRNAを作ります。このRNAを「メッセンジャーRNA,mRNA」と呼びます。

mRNAがあれば、その情報を読み取ることでタンパク質を合成することができます。

mRNAを読みほどいて、人間の体内で新型コロナウイルスに対する病原体のタンパク質を作れば、そのタンパク質に対する抗体が体内で更に作られ、病原体タンパクにヒトの免疫が反応することで病原体に対する免疫を付けることができます。

病原体タンパクは単なるタンパク質であり、病原体そのものではないので、ワクチンを接種してもCOVID19を発症することはありません。

このような、病原体のタンパク質を作る仕組みが、これまでのワクチンとは全く異なる方法です。

ウイルスベクターワクチンとは?

ウイルスベクターワクチン viral vector vaccine は,日本語で言うと「組換えウイルスワクチン」と言えます。

「遺伝子組み換え」というと、それだけで怖い!と思ってしまう人も居るかもしれません。

ベクターワクチンは、新型コロナウイルスとは全く異なる無関係なウイルスの遺伝子の中に、新型コロナウイルスの病原体タンパクを作るための遺伝子を組み込みます。

その遺伝子組み換えが行われたウイルスを含んだワクチンを注射で接種することで、ヒトの体内に取り込まれて体内で細胞の中に入り、転写・翻訳が行われ、ヒトの細胞がやはり病原体タンパクを合成するのです。

つまり、病原体タンパクをヒトの体内に入り込ませるのがmRNAなのか、ベクターウイルスなのかの違いだけで、ヒトの体内に入ってから起こることは同じです。

ベクターウイルスは、ヒトの体内に入ってから、そのウイルスそのものが病原性もっていては困ります。なので、ヒトには全く病気を起こさないウイルスだけが選択されるのです。

新型コロナウイルスのAstraZenecaのワクチンでは、増殖機能を失わせた「チンパンジー・アデノウイルス」を使っています。

これまで、ベクターウイルスを用いたワクチンはエボラ出血熱に対して実用化されており、世界初の技術ではありません。

これらのワクチンの効果や副反応など、まだわからないことは沢山あります。

しかし、臨床研究、治験が行われ、効果や安全性の確認が行われています。

また、これらのワクチン開発技術は、今後現れうる(もしくはまだ治療法が開発されていない)病原体に対する治療法開発に繋がるかもしれません。

そういう意味では、人類の医学の歴史の新たな一歩と言えるでしょう。

せっかく開発されたワクチンなので、HPVワクチンのようにマスメディアや不確実なインフルエンサーの発信に戸惑わされず、人類がコロナウイルスに打ち勝っていく手段の一つになればと思います。

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