ワクチン接種に関して知っておくべき知識
ハーバード大学医学部のPaul E. Sax教授によるワクチン接種に関するQ&Aが,New Engl J Med(NEJM)のCOVID-19 vaccine resource centerに掲載されました。
NEJMは、世界中でも最も格式が高く、重要・有名な医学雑誌です。
重要なポイントが書かれていましたので、日本語に訳して転載します。
2021年2月3日
• 1)ファイザー/BioNTechのワクチン(BNT162b2),モデルナ社のワクチン(mRNA-1273)とも,驚くほどの効果があり,有効性はこれまでで最も効果的なワクチンに匹敵する.偽薬と比較して約95%の確率でCOVID-19の罹患を低下させた。
• 2)いずれも2回接種であるが,1回目の接種からわずか10~14日後で,ある程度の予防効果がみられる。しかし疾病管理予防センター (CDC) ,食品医薬品局 (FDA)とも,可能な限り2 回接種を推奨している。
• 3)効果の持続期間についての情報はまだない。モデルナ社のワクチンの第1相試験の結果からは,中和抗体はほぼ4ヶ月間持続する。
• 4)ワクチンが無症状感染者まで抑制しているかは不明である。よってワクチン接種が開始されても従来の対策(マスク着用,手指衛生,社会的距離)は継続すべきことを強調する必要がある。
• 5)どちらのワクチンも100%とは言えないが,非常に安全である。しかしごく稀な副作用の事例がニュース報道され,実際のリスクとは不釣り合いな程度に懸念が増幅される可能性がある。副作用のリスクは,COVID-19で重篤となるリスクよりもはるかに低いことを理解してもらう必要がある。
• 6)最も多い副作用は注射部位の痛みで,とくに接種後12~24時間は痛みを伴う。疲労と頭痛も比較的多いが,高熱は一般的ではない.これらは通常,数日以内に消失し,非ステロイド性抗炎症薬で改善する.一般的に,高齢者よりも若年者に副作用が多く,1回目より2回目接種で多くみられる。
• 7)重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)の報告があるものの,稀であることを理解いただくことが極めて重要である。推定で約10万回に1回の頻度である.この頻度は他のワクチンよりは高いが,ペニシリンで報告されている頻度(5000 回に 1 回)と比べ大幅に低い。
引用:COVID-19 vaccine resource center
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