認知症外来(物忘れ外来)｜神戸市中央区神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニック

WHAT IS DEMENTIA

認知症外来(物忘れ外来)とは

認知症外来（物忘れ外来）とは、認知症の診断や治療を専門的に行う外来のことです。
認知症とは、脳の機能が障害を受けて、記憶や思考力、判断力などの認知機能が低下する病気のことを指します。
認知症外来では、主に物忘れが症状として現れる場合が多いため、「物忘れ外来」とも呼ばれます。

患者さまの物忘れ症状が単なる老化に伴う自然現象のものなのか、それとも認知症が原因なのかをしっかりと診察・検査をし、症状に合った適切な治療をご提案させていただきます。

また、当院の認知症外来（物忘れ外来）では、患者さまのみでなく、そのご家族の負担を和らげ安心して暮らせるようにサポートしています。
認知症は進行性の病気であるため、少しでも気になる症状がございましたら、お気軽に神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニックまでご相談ください。

認知症の物忘れの特徴
認知症は、脳の機能が障害を受けることによって、記憶力だけでなく、思考力や理解力、判断力、言語能力が低下し、日常生活に影響を与える病気です。
認知症の物忘れには主に以下のような特徴があります。
- 忘れっぽくなっている自覚がない(自覚がある場合もあります。)
- 同じことを繰り返し聞いてしまう
- 曜日がわからなくなる・時間の計算ができない
- 新しいできごとを記憶できない
- 過去に体験したことの全体を忘れてしまう
- マルチタスクが苦手になる
- ゆっくりとした
- 漢字が読めない
- 人の名前が覚えられない
認知症の検査

認知症の検査では以下のような検査を行っております。

MMSE(Mini-Mental State Examination)

簡単な記憶の確認、注意力、言葉の障害がないかを確認するテストです。10分程度で実施できます。

認知機能検査FAB

前頭葉の機能を評価する検査です。言葉の出やすさ、処理速度、手順の記憶などを確認します。

ADAS

MMSEなどの検査では異常は指摘できないものの認知機能低下が疑われる際に実施します。45分ほどかかる長い検査にはなりますがより正確に認知機能を評価することができます。

バウムテスト

バウムテストは人の深層心理を図ることに使われる心理検査の技法です。「一本の樹木を描く」だけで、その人の無意識の内面を把握することができます。

その他、血液検査(ビタミン不足などで認知機能が低下する場合があるため)・心電図・胸部Xpなどの検査を行っていきます。CTやMRI検査が必要な場合は専門医療機関をご紹介させていただきます。

TYPES AND SYMPTOMS

認知症の種類と症状

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最もよく見られる疾患です。
脳の中でアミロイドβというタンパク質が蓄積することで、神経細胞の機能が低下し、死滅することが原因で引き起こされるといわれています。
主に65歳以上の高齢者に多い認知症です。

主な症状
- 同じ言動を何度も繰り返す
- 日付や曜日がわからなくなる
- 親しい人の名前が思い出せない
- 大切な物をなくしたり、置き忘れたりする
- 感情や人格に変化がある
- 慣れている場所でも迷子になるなど
脳血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管の疾患が原因で、脳に十分な血液が供給されず、脳細胞が死滅することによって引き起こされる認知症の一種です。
多くの場合、高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病が原因となって発症します。
また、遺伝的な要因も関与することがあります。

主な症状
- 人や物の名前が思い出せない・誤認識する
- 聞く・話す・読む・書くなどができなくなる
- 日常的に行っていた動作ができなくなる
- 計画を立てて実行することができない
- 運動機能の低下
- 怒りぽっくなったり涙もろくなるなど
レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、パーキンソン病の原因としても知られているレビー小体という異常なタンパク質が脳に蓄積し、脳細胞の損傷が起こることによって引き起こされる認知症の一種です。アルツハイマー型認知症や、血管性認知症とともに「三大認知症」といわれています。

主な症状
- 物忘れや判断力・理解力の低下
- 実際にはないものが見える(幻視)
- 睡眠時の大きな寝言や足がむずむずして寝られないなど
- 一歩目が出しにくい、動作がゆっくりになる
- 怒りっぽくなったり、情緒不安定になる
- 嗅覚が鈍くなるなど
前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症とは、脳の一部である「前頭葉」や「側頭葉前方」が萎縮することで起こる認知症のことを指します。

前頭側頭型認知症は、認知症の中でも多く見られる疾患で、主に40～60歳代と比較的若い年齢の方でも発症しています。

主な症状
- 万引きなどの反社会的な行動をとる
- 周囲に対して配慮ができなくなり、自分本位になる
- 言葉の理解や発話が困難になる
- 自己や周囲に対して無関心になる
- 食事や嗜好の変化がみられる
- 同じ行動を繰り返すなど

DEMENTIA MEDICINE

認知症の薬について

medicine 01.

アセチルコリンエステラーゼ
阻害薬

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は、脳内で情報を伝える役割のあるアセチルコリンという神経伝達物質が少なくなることで、認知機能の低下が起こります。アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、このアセチルコリンを分解する酵素を阻害することで、アセチルコリンの濃度を上昇させ、認知機能の改善を目指す薬剤です。
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬には、副作用として吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、めまいなどが報告されています。(特に吐き気などの症状が出やすいため、必要に応じて吐き気止めなどを併用する場合もありますが、内服を続けていくうちに症状が軽くなる場合が多いです。)
また、肝臓や腎臓の機能が低下している人や、心臓病を患っている人には注意が必要です。必ず医師の指示に従って使用するようにしましょう。

medicine 02.

NMDA受容体拮抗薬

NMDA受容体拮抗薬は、神経細胞の異常な活性化を抑制するための作用があり、アルツハイマー型認知症、脳卒中後の神経障害症状、うつ病などの治療に使用されます。通常、何かを覚えようとするときに脳内でグルタミン酸が放出され、神経細胞にカルシウムイオンが流れ込むことで物事が記憶されるという仕組みになっています。
しかし、アルツハイマー型認知症になった場合、必要ないときにもグルタミン酸が過剰放出してしまうため、神経細胞の損傷を引き起こしてしまいます。
そこでNMDA受容体拮抗薬を使用することで、グルタミン酸の過剰放出を防止し、神経細胞の興奮性が適正レベルに制御されることで、神経細胞の障害を予防することができます。ただし、NMDA受容体拮抗薬は、適切な量や期間を超えて使用すると、意識障害、幻覚、錯乱、倦怠感、動作遅延などの副作用が現れることがあるため、正確な投与量と投与期間を厳密に管理する必要があります。

FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

認知症外来でよくあるご質問

認知症の薬はどのくらい効きますか？: 「今のところ、使用されている薬で認知症を完治させることはできませんが、症状を軽減させたり、進行を遅らせたりすることができます。
また、イライラや精神的な不安を緩和させることによって、生活の質を高める効果が期待できます。
認知症の薬の副作用が怖いのですが？: 当院で使用している認知症の薬には「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」と「NMDA受容体拮抗薬」の２種類あります。
これらの薬には下記副作用が報告されています。

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤

下痢、吐き気、嘔吐、食欲不振、頭痛、めまい、疲れ、筋肉のけいれん、失神、低血圧など
また、高用量の場合には、幻覚、せん妄、興奮、認知機能の低下、失調、不安、うつ病などの精神症状が現れることがあります。

NMDA受容体拮抗薬

下痢、嘔吐、食欲不振、めまい、頭痛、疲れ、幻覚、せん妄、興奮、認知機能の低下、失調、不安、うつ病などが報告されています。

基本的に医師の指導のもと服用すれば重篤な副作用はほとんどないため、ご安心ください。
認知症を予防するために、何をしたら良いですか？: 適度な運動や健康的な食生活など、生活習慣の改善や脳を使う活動(例：クロスワードパズルや数独などのパズルゲーム、読書、学習、言語学習、音楽演奏など)を継続的に行うことが脳の活性化に繋がり、認知症を予防することができます。
また、孤独感や過剰なストレスも脳に悪影響を与えるため、社交的な人間関係を持つことも大切だとされています。

以上のようなことを心掛けることで、認知症を予防することができるとされています。
ただし、予防策としては十分ではない場合があるため、定期的な健康診断や医師へ相談をすることが重要です。
どんな人が認知症になりやすいですか？: 認知症にかかりやすい人の特徴としては下記のような事項が挙げられます。

高齢者

高血圧、糖尿病、脳卒中、肥満、運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣の乱れ

ストレスをためやすい方など

以上のようなリスクファクターに加え、認知症になるリスクは、複数の要因が相互に影響しあっていることが多いため、個人の状況に合わせた予防策が必要です。