当院の肥満・ダイエット外来では皆様の健康状態、生活習慣などを把握した上で、GLP-1受容体、GLP-1/GIP受容体作動薬などを用いて、食欲をコントロールすることによってダイエットのお手伝いをします。
美容目的での間違った医療ダイエットは行わないため、BMIが23未満のお客様には処方をお断りさせて頂きます。
当院では注射薬にマンジャロ、内服薬にリベルサスを採用しております。
WHAT IS
マンジャロとは
マンジャロ(チルゼパチド)は、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。
この薬は、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の両方の受容体に作用することで、インスリン分泌を促進し、血糖コントロールを改善する効果を持ちます。
マンジャロの特徴と効果
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二重のホルモン作用
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一般的なGLP-1受容体作動薬(オゼンピック、ウゴービなど)はGLP-1の受容体にのみ作用しますが、マンジャロはGIPとGLP-1の両方に作用します。
これにより、血糖値管理の向上と体重減少効果が期待されています。 -
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投与方法が簡単
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週に1回、自己注射で投与するペン型デバイスを使用。
オゼンピック(セマグルチド)と同じく週1回投与ですが、マンジャロは投与量の設定や針の管理が不要で、ボタンを押すだけで薬が注入される仕様になっています。 -
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体重減少効果
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食欲抑制と胃の排出を遅らせることで満腹感を長く維持し、肥満治療にも効果が期待されています。
海外の臨床試験では、体重減少効果がGLP-1単独の薬よりも高いことが示されています。
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当クリニックでの対応
マンジャロは2型糖尿病の治療薬として承認されていますが、肥満症治療に関しては保険適応で治療が出来る病院が限定されています。
そのため、当クリニックでは糖尿病の診断がある患者さんにはマンジャロを保険適応で処方しますが、肥満症のみを対象とした処方には自費診療となります。
また、マンジャロを使用しただけでスルスルと痩せられるものとは思わないでください。魔法の薬ではありません。
適切な食事療法・運動療法との併用が重要となりますので、患者さん一人ひとりに適した治療プランを提案いたします。 -
マンジャロの減量効果
日本では現在、約1000万人が糖尿病を患っており、予備軍も含めると6人に1人が該当するとされています。
さらに糖尿病患者の約8割が肥満を合併しており、これは心血管疾患や慢性腎臓病などの深刻な合併症のリスクを高めます。
こうした背景のなか、横浜市立大学の研究グループが日本人の2型糖尿病患者を対象に、新しい糖尿病治療薬の効果を比較する研究を行い、画期的な結果を発表しました。
研究の背景と目的
2型糖尿病の治療において、血糖コントロールだけでなく体重管理も重要な課題となっています。
最近注目されているのが、血糖を下げつつ体重減少効果も持つGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)と呼ばれる薬剤です。
横浜市立大学 循環器・腎臓・高血圧内科学教室の研究グループは、新世代のGLP-1RAであるセマグルチド(商品名:オゼンピック、リベルサス)とGLP-1/GIPデュアルアゴニストのチルゼパチド(商品名:マンジャロ)の効果を、従来の薬剤と比較しました。
マンジャロの主な結果
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血糖コントロール効果
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チルゼパチド(マンジャロ)15mgが最も効果が高く、プラセボと比較してHbA1c(血糖値の指標)を約2.8%低下させました。
セマグルチド(注射:オゼンピック・内服:リベルサス)も注射製剤・経口製剤ともに従来のGLP-1RAより優れた効果を示しました。
注射製剤のオゼンピックは経口製剤のリベルサスより効果が大きかった。 -
result 02.
体重減少効果
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チルゼパチド(オゼンピック)15mgが最も効果が高く、プラセボと比較して約9.5kgの体重減少効果がありました。
セマグルチド注射剤はプラセボと比較して4.4kg、経口剤は2.6kgの減量効果がありました。
どの薬剤も用量が多いほど効果が増加する傾向がありました。 -
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治療目標達成率
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糖尿病治療の目標であるHbA1c 7%未満の達成率は、チルゼパチド(マンジャロ)とセマグルチド(注射:オゼンピック・経口:リベルサス)でほぼ同等でした。
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このような症状
お悩みのある方はご相談ください- 糖尿病・脂質異常症・高血圧症の診断を受けている
- 診断は受けていないものの肥満があり生活習慣病が心配
- BMIが25を超えており、生活習慣病を予防・改善したい
- 腹囲がメタボリックシンドロームの基準を超えている(男性85cm・女性90cm)
- お腹だけがぽっこり出ており内臓脂肪が気になる
- 自分に合った食習慣・運動習慣が分からない
- 腰や足の痛みで運動がうまくできない
- 生活習慣病の治療の一環で減量に取り組んだが結果が出ない
- 短期間で急激に体重が増えた
上記のようなお悩みがある場合、お気軽に当院までご相談ください。保険診療で可能な限り、対応させていただきます。
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以下の方には処方は出来ません
- 美容としての減量だけを目的としている
- 薬だけ処方して欲しい
- とにかく短期間で体重を落としたい
- 過度な食事制限をしてでもダイエットをしたい
- 特定の食品のみを食べてダイエットをしたい
当院の肥満・ダイエット外来は、なるべく保険適応で行い、体重の減少だけでなく生活習慣の改善を目的としています。
食事療法、運動療法、薬物療法をバランスよく取り入れないと、健康を害してしまうか、体重が一旦は下がったとしてもすぐに戻ってしまいます。
マンジャロの使用方法
01.投与方法
マンジャロは、週に1回、皮下注射します。
注射部位は、腹部、大腿部、上腕部のいずれかです。毎回注射する場所を変えましょう。
注射時間帯はいつでも構いません。ただし、毎回同じ曜日・時間帯に注射することが推奨されます。
02.投与量
通常、成人は、週1回主成分として5mgを維持用量とし、皮下注射します。
開始用量として、2.5mgからマンジャロの投与を開始し、4週間後に5mgに増量します。
その後は5mgの製剤を継続使用します。
マンジャロの副作用
消化器症状(悪心・嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退など)
マンジャロ使用によって消化管の動きが抑制され、吐き気などの消化器症状が生じることがあります。
使用期間が長くなると血中濃度が安定し、これらの副作用は軽快していくことが多いですが、使用開始時はこれら症状が強くみられる場合があります。
低血糖
GIP/GLP-1の血糖降下作用は、血糖値が上昇したときにインスリン分泌を促進するものであるため、低血糖を引き起こす可能性は低いとされています。
他の糖尿病治療薬を服用・インスリン注射している方は、低血糖のリスクがあるため、使用している薬剤がある場合は全てお教えください。
FLOW
予約から受診までの流れ
予約
ご希望の日時に予約をお取りください診察
現在の身体の状態を把握するために、採血や心電図などの検査を行います。1週間後以降
採血結果などに問題が無ければ、マンジャロ®皮下注2.5mgを4週間分処方します。糖尿病の診断に至った場合などは保険診療での治療を開始しますので、患者さんごとに変わります。更に4週間後
副作用等を確認し問題なければ、マンジャロ®皮下注5.0mgを2週間分~12週間分追加処方します。半年ごと
半年ごとに採血を行います。