J&J社のコロナワクチンは?
2021年2月28日、米国FDAがJ&Jの新型コロナワクチンの緊急使用許可EUAを認めました。
ジョンソンアンドジョンソン社のワクチンは、アストラゼネカ社のワクチンと同じくウイルスベクターワクチンに分類され、人間の体内には「アデノウイルス26型(Ad26)」を用います。
風邪の症状や結膜炎を引き起こす可能性のあるAd26は、人体で複製して病気を引き起こすことができないようにワクチン用に遺伝子組み換えされています。
治験の結果
南アフリカ、南米、メキシコ、および米国で治験が行われており、19,630人がワクチンを受け、19,691人が生理食塩水プラセボを受けました。
ワクチン接種後少なくとも14日で発生する中等度から重度/重大なCOVID-19の予防に約67%有効であり、ワクチン接種後少なくとも28日で発生する中等度から重度/重大なCOVID-19の予防に66%有効でした。
研究結果:USA,FDA issued February 27, 2021
J&J社のワクチンの特徴は
先行の2種類に比べると有効性は落ちますが、ファイザー社のワクチンと違って受け取り後に冷凍不要で冷蔵庫で保管できることと、1回投与でいいということに大きな利点を持っています。
J&Jのワクチンバイアルの針刺し前の保管温度は2~8℃であり、冷凍してはならず、最大12時間は9~25℃で保管可能です。
J&J社のワクチンは日本では使える?
現在、日本ではファイザー、モデルナ、アストラゼネカ社の3社のワクチンの確保に向けて政府は交渉しています。
しかし、実は日本では2020年9月以降、J&J社のコロナワクチンの治験が行われています。
薬事申請が今後行われれば、日本でも実用化が目指されるかもしれません。
J&J社のワクチンの効果は?
第I相試験の一部として米国マサチューセッツ州ボストンの単施設で実施された無作為化二重盲検比較試験において、Ad26.COV2.Sの単回接種により速やかに結合抗体および中和抗体が産生されるとともに、細胞性免疫応答が誘導されることが示された。
米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのKathryn E. Stephenson氏らが報告した。
COVID-19パンデミックのコントロールには、安全で有効なワクチンの開発と導入が必要とされている。JAMA誌オンライン版2021年3月11日号掲載
単回接種後、結合抗体および中和抗体の速やかな産生と細胞性免疫応答が誘導されたことが確認されています。
初回接種後8日までに、結合抗体はワクチン接種者の90%に、中和抗体は25%で検出されました。57日目までに、両抗体は単回接種者の100%で検出されました。
引用・原著論文:Stephenson KE, et al. JAMA. 2021 Mar 11.
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当院の方針
バイタリティクリニック神戸三宮では、5月17日よりコロナワクチンの接種を行います。
日中、夜間の長い診療時間中、できるだけ多くの市民の皆様が早くワクチンを接種出来るように致します。
4月20日より電話、ホームページで予約受け付けを開始しています。