インフルエンザについて
インフルエンザワクチンの接種によりインフルエンザに対する抗体ができ、かかりにくくなります。
高齢者のみB類定期接種の対象となり、公費による助成を受けられます。
助成の対象となる方は
- 65歳以上の方
- 60~64歳で、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の周りの生活を極度に制限される方
- 60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
の3つの枠組みが対象となります。
現在の日本で用いられているインフルエンザワクチンは新型コロナワクチンとは異なり、不活化ワクチンというもので作られています。
不活化ワクチンには生きたウイルスや細菌は入っておらず、インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(Hemagglutinin:HA)蛋白を主成分とします。
インフルエンザウイルスは頻繁に遺伝子変異を起こすため、ワクチンに用いる株は毎年見直す必要があります。
流行シーズン前に流行すると予想される株を選定し、流行シーズン前の短い期間に年少児から成人、高齢者まで多数の人が一同に接種します。
インフルエンザワクチンの予防効果についてはよく議論の対象となり、「注射したのにインフルエンザにかかった!」などの声はよく聞かれます。
しかし、特に高齢者に対するインフルワクチンの効果を、「死亡を回避すること」や「重症化を防ぐこと」とした場合は、有効性は大きいことが分かっており、死亡回避リスクは80%以上とされています。
発病予防効果は概ね50%台から60%台とされています。
インフルエンザワクチンの費用は?
ワクチン接種料は、おひとり一回4000円です。
しかし、65歳以上、もしくは64歳以下の神戸市民の対象者は自己負担額が1500円となります。
いつワクチンを接種したらいいの?
できるだけ、10月中旬から12月上旬までに受けましょう。ワクチン接種による効果が出現するまでに2週間程度を要します。
効果は4~5ヶ月くらい続きます。
2回接種した方がいいのですか?
12歳以下は2回接種、成人は原則1回の接種を行います。
1回目と2回目の間は、約2~4週間(できれば4週)あけます。
小児は免疫を付ける力が弱いため、一回のワクチン接種では抗体を十分身に付けることが出来ないため2回接種しますが、13歳以上は1回の接種で良いとされています。
最近新型コロナワクチンを接種したのですが、期間はどれくらい開ける必要がありますか?
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種については、単独で接種した場合と比較して、有効性及び安全性が劣らないとの報告があること等を踏まえ、令和4年7月22日開催の審議会において議論された結果、同時または前後で間隔を開けずに接種することが可能となりました。
ただし、インフルエンザワクチン以外のワクチンは、新型コロナワクチンと同時に接種できません。互いに、片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。
ただ、当院でインフルエンザワクチンとコロナワクチンを同時接種することは、取り違えてしまう可能性を考えて、行いません。
コロナワクチンを接種する時間と、インフルエンザワクチンを接種する時間は分けておりますので、同時接種は対応しかねます。
お手数ですが、別の時間にご来院ください。
卵アレルギーとインフルワクチン
インフルエンザの不活化HAワクチンは、インフルエンザウイルスを発育鶏卵の尿膜腔という場所で増殖させて製造します。
高度に生成されますが、ごく微量の鶏卵由来成分は残存されると考えられます。
しかし、「卵アレルギーのある者すべてはインフルエンザワクチンを接種できない」と考えるのは誤解です。
予防接種のガイドラインによると、接種を行ってはならない者は「ワクチンの成分に対する明らかなアナフィラキシーの既往のある者」とされています。
つまり、軽いアレルギー症状の者や、血液検査で卵関連のアレルギーの反応が出たことがあっても卵を食べるのは大丈夫な方は、接種出来る可能性があります。
健康状態や体質を勘案して、担当医が慎重に接種の可否を判断しますが、十分に説明を行い、本人の同意が得られた場合は接種することが可能です。
従って、実際に卵アレルギーのためインフルエンザワクチンを接種出来ないことは極めて稀と言えます。