50歳以上は要チェック!帯状疱疹を防ぐワクチン「シングリックス」の驚くべき効果とは

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2025,12,24

コラム

50歳以上は要チェック!帯状疱疹を防ぐワクチン「シングリックス」の驚くべき効果とは

帯状疱疹:痛みへの備えと最新の予防策

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうのウイルスが再活性化して起こる病気で、皮膚の痛みや発疹に加え、長引く神経痛(帯状疱疹後神経痛)を残すことがあります。

加齢や疲労で免疫が弱まると発症しやすくなるため、日頃の体調管理とワクチンによる予防が重要です。

近年、予防効果が非常に高い「不活化ワクチン」が登場し、注目されています。この研究は、Himal Lal氏ら(ZOE-50研究グループ)によって行われ、詳細は2015年5月28日付の『New England Journal of Medicine』に掲載されています。

1万5千人を対象とした大規模な調査

この研究は、50歳以上の男女約15,400人を対象に行われた大規模な臨床試験です。

参加者を、新しい「不活化帯状疱疹ワクチン」を2回接種するグループと、効果のない偽薬(プラセボ)を接種するグループの2つに分け、平均3.2年間にわたり追跡調査を行いました。

この新しいワクチンが、実際にどのくらい帯状疱疹の発症を抑えられるかを検証することが目的です。

97%という高い予防効果を確認

結果は非常に明確でした。偽薬を打ったグループでは210人が帯状疱疹を発症したのに対し、ワクチンを打ったグループではわずか6人しか発症しませんでした。

これを計算すると、全体の予防効果(有効率)は97.2%となります。

また、70歳以上の高齢層においても同様に高い予防効果が維持されていることが確認されました。

注射部位の痛みなどの副反応はありましたが、安全性に大きな問題はありませんでした。

従来の常識を覆す予防手段

結論として、この不活化ワクチンは、50歳以上の成人において帯状疱疹を防ぐ極めて強力な手段であると言えます。

従来型のワクチン(生ワクチン)に比べて予防効果が格段に高く、加齢による免疫低下を補うための有力な選択肢となることが、科学的に証明されました。

暮らしへのヒント:帯状疱疹に負けないために

  • 「ピリピリ」を感じたら即受診を 皮膚に赤い発疹が出る前に、痛みや違和感が出ることがあります。早めの受診が重症化を防ぎます。

  • 治療の鍵は「72時間以内」 発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬を飲み始めることで、治りや痛みの予後が良くなります。

  • 神戸市の「接種費用助成」を活用しましょう 神戸市では、50歳以上の市民を対象に、費用の高い不活化ワクチンでも1回あたり4,000円の助成を受けられる制度があります。

  • 疲れやストレスを溜めない 免疫力が下がることが発症の引き金になります。睡眠と栄養をしっかり摂ることが基本の予防です。

まとめ:助成制度も利用し、医師と相談を

この研究により、新しい不活化ワクチンは50歳以上のすべての方にとって、帯状疱疹のリスクを大幅に減らす信頼できる方法であることがわかりました。

帯状疱疹は一度かかると痛みが長く続くこともあります。「自分は大丈夫」と思わず、神戸市の助成制度も上手に活用しながら、予防接種についてかかりつけ医に相談してみることをお勧めします。

【引用】 Lal H, et al. Efficacy of an Adjuvanted Herpes Zoster Subunit Vaccine in Older Adults. N Engl J Med, 2015, 372, 22, p.2087-2096. (Online).

シングリックスの効能・効果は

シングリックス(Shingrix)は、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の予防に特化した不活化ワクチン(組換えサブユニットワクチン)で、50歳以上の方や免疫不全のリスクが高い18歳以上の方を対象に、高い予防効果と安全性が確認されています。

2回の接種が必要で、免疫力が低下している人でも接種可能という大きな特徴があり、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症も大幅に抑制します。 

当院では自費の場合は22000円の接種料金で行えます。

神戸市の帯状疱疹ワクチンの接種助成についてのページはこちら

  • 接種日時点で神戸市民であり、以下のいずれかに該当する方
  1. 年度内(4月~翌年3月)に65歳の誕生日を迎える方
  2. 接種日時点で60~64歳で一部の内部障害を有する方(手帳1級相当)(※)
    ※ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により免疫の機能に障害のあり、日常生活がほとんど不可能な方(身体障害者手帳1級及び同程度以上の人)
  3. 経過措置:年度内に70、75、80、85、90、95、100、101歳以上になる方(101歳以上の方は2025年度に限り全員対象)
  • 上記【2】に該当する方は、予防接種券の発行申請が必要です。
  • 上記【3】に該当する方は、2025年度から2029年度までの経過措置となります。5年後は対象になりません。

定期接種の対象者となるのは生涯一度限りです。5年後は対象になりません。

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