ファイザー株式会社から、禁煙補助薬チャンピックス錠(一般名:バレニクリン酒石酸塩)の通常出荷再開が公表されました。長期の供給停止でご不便をおかけしていましたが、当院の禁煙外来での取り扱いが順次回復します。
いつから・何が再開?
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0.5mg錠 28錠(PTP)
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1mg錠 28錠(PTP)
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1mg錠 84錠(PTP)
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スターターパック(0.5mg×11錠、1mg×14錠)
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これまでの経緯
チャンピックスは、製造工程の見直し(不純物管理の基準を下回るための対応など)により長期の出荷停止が続いていました。そのため、ここ数年間は禁煙外来は「ニコチンパッチ」を用いたものしかできませんでした。
メーカーは製造方法の変更を完了させ、安定供給の目処が立ったため通常出荷を再開すると案内しています(2025年10月付 通知)。
チャンピックスってどんな薬?
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働き方:脳のニコチン受容体に部分的に作用してタバコの満足感を弱め、離脱症状や吸いたい気持ち(渇望)を軽くする薬です。
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飲み方:一般的にはスターターパックで少量から始め、1週間ほどで目標禁煙日を設定し、その後は1mg錠を継続する標準スケジュールがよく使われます(詳しい用量は医師の指示に従ってください)。
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副作用(代表例):吐き気、頭痛、眠気、見た夢が鮮明になる感じなど。気になる症状が出たら中止せず医師に相談しましょう。
受診の流れ(目安)
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禁煙外来に相談:喫煙歴やこれまでの禁煙経験、持病・内服薬を確認します。
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治療計画:禁煙宣言日を決め、薬のスケジュールとサポート面談(カウンセリング)を組み合わせます。
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フォローアップ:数週間〜数か月の通院で、離脱症状の対処や再喫煙防止を支援します。
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費用:条件を満たす場合は保険診療となることがあります。適用可否は受診時にご確認ください。
禁煙外来開始までの“うまい付き合い方”
- 併用の注意:自己判断でニコチン製品や他剤を一緒に使わないこと。併用の可否は必ず医師へ。
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メンタルヘルスの体調:気分の落ち込みや不眠など気になる変化があれば、申し出てください。
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再挑戦OK:禁煙は“やめ方”の工夫で成功率が上がります。再挑戦は立派な前進です。1年以上間が空いていたら、禁煙外来を保険診療で行うことができます。
当院からのメッセージ
チャンピックスの通常出荷再開により、医療機関での禁煙治療の選択肢が広がります。
禁煙は薬(チャンピックス等)+専門的支援の組み合わせで成功率が高まります。
これを機に、まずはご相談ください。最適な開始時期や治療法を一緒に決めていきましょう。
出典:ファイザー株式会社「チャンピックス錠 通常出荷再開のご案内」(医療関係者向け通知、2025年10月、出荷再開日 2025年10月30日、対象:0.5mg/1mg各規格およびスターターパック)。

