インフルエンザと新型コロナ、風邪の違いは?症状の特徴と見分け方を解説

Tel.078-945-7125
  • LINE予約
  • WEB予約
  • WEB問診

新着情報

column

2025,12,12

コラム

【2025年版】インフルエンザと新型コロナ、風邪の違いは?症状の特徴と見分け方を解説

急な発熱やのどの痛みを感じた際、「これは普通の風邪なのか、それともインフルエンザや新型コロナウイルスなのか?」と不安になる方は多いでしょう。

特に神戸市内でも季節を問わず感染症が流行するケースが増えており、適切な判断と早期の対応が重要です。

本記事では、呼吸器・アレルギー内科の専門的な視点から、2025年現在の最新情報に基づき、これら3つの疾患の違い、見分け方のポイント、そして受診の目安について詳しく解説します。

インフルエンザ・新型コロナ・風邪の基本的な違い

これら3つの病気は、いずれもウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症ですが、原因となるウイルスや症状の現れ方には明確な違いがあります。まずは以下の特徴を押さえておきましょう。

インフルエンザの特徴:急激な発症と全身症状

インフルエンザウイルスの感染によって起こります。最大の特徴は「急激な発症」です。「朝は元気だったのに、昼過ぎから寒気がして38度以上の熱が出た」というようなケースが典型的です。

  • 主な症状: 38℃以上の高熱、強い関節痛・筋肉痛、全身の倦怠感、頭痛。

  • 潜伏期間: 1〜3日程度。

  • 流行時期: 例年冬場が中心ですが、近年は夏場に流行することもあります。

新型コロナウイルス(COVID-19)の特徴:多様な症状と咽頭痛

SARS-CoV-2ウイルスの変異株によって症状は変化し続けていますが、現在はオミクロン株系統が主流であり、「強いのどの痛み」が特徴的です。

  • 主な症状: のどの痛み、発熱(微熱〜高熱)、咳、鼻水、倦怠感。味覚・嗅覚障害は以前より減少傾向にあります。

  • 潜伏期間: 2〜5日程度(株により異なります)。

  • 特徴: 無症状の場合もあれば、呼吸困難など重症化する場合もあり、個人差が非常に大きいのが特徴です。

普通の風邪(感冒)の特徴:緩やかな発症

ライノウイルスやアデノウイルスなど、数多くのウイルスが原因となります。

  • 主な症状: くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、微熱。

  • 経過: インフルエンザのような急激な全身症状は少なく、数日で自然に軽快することがほとんどです。

症状だけで見分けることはできる?(セルフチェックの限界)

結論から申し上げますと、症状だけでこれらを完全に識別することは、医師であっても困難です。

特に新型コロナウイルスとインフルエンザは症状が重複しており(発熱、咳、倦怠感など)、臨床症状のみでの確定診断は不可能です。

ただし、以下の傾向は判断の一助となります。

  • 全身の筋肉や関節が痛く、動けないほど辛い ⇒ インフルエンザの可能性が高い

  • 唾を飲み込むのも辛いほどの激しい喉の痛み ⇒ 新型コロナの可能性が高い

  • 鼻水とくしゃみが中心で、熱はあまりない ⇒ 風邪や花粉症の可能性

【重要】 高齢者や基礎疾患(糖尿病、心疾患、呼吸器疾患など)をお持ちの方は、症状が軽くても急速に悪化するリスクがあります。自己判断せず、早めに医療機関へ相談してください。

神戸市で発熱外来を受診するタイミングと検査について

「どのタイミングで病院に行けばいいの?」という質問をよくいただきます。 発熱直後(発症から12時間以内)は、ウイルス量が少なく、インフルエンザやコロナの検査キットで「偽陰性(本当は陽性なのに陰性と出る)」になる可能性があります。

しかし、検査が陰性になるかもしれないから受診してはいけないということではありません。

推奨される受診のタイミング

  • 発熱してから12時間〜24時間後: 検査の精度が最も高くなるタイミングです。

  • 呼吸が苦しい、水分が摂れない、意識がぼんやりする場合: 時間を問わず、すぐに受診(または救急相談)してください。

当院(神戸市内の発熱外来)で行う検査

現在、多くの医療機関では「抗原定性検査」が主流です。

鼻の奥を綿棒でぬぐう検査で、インフルエンザと新型コロナウイルスを同時に調べることが可能です。

結果は15分〜20分程度で判明します。

PCR検査に比べて精度(陽性的中率)は若干劣りますが、即座に結果が出るため、その場ですぐに適切な治療薬(タミフルやなど)の処方を決定できるメリットがあります。

治療薬の選択と処方について

検査で陽性となった場合、症状や重症化リスクに応じて抗ウイルス薬を処方します。

  • インフルエンザの場合: 発症から48時間以内の投与が有効です。「タミフル(内服)」「イナビル(吸入)」「ゾフルーザ(1回内服)」などがあり、患者様の年齢や状況に合わせて選択します。

  • 新型コロナの場合: 「パキロビッド」「ラゲブリオ」「ゾコーバ」などの経年的な飲み薬がありますが、処方には年齢制限や併用禁忌(飲み合わせの悪い薬)の確認など、医師による慎重な判断が必要です。軽症の若年者には、解熱鎮痛剤などによる対症療法が基本となることもあります。また、値段が高く、3割負担でも2万円以上の値段がしてしまうのも、ご理解いただく必要があります。そのため、基礎疾患の無い方の場合は処方せず、対症療法のみで経過を見ることがほとんどです。

まとめ:迷ったら自己判断せず相談を

「ただの風邪だろう」と無理をして出勤・通学することで、周囲に感染を広げてしまうリスクがあります。

また、インフルエンザやコロナであった場合、早期に抗ウイルス薬を使用することで、辛い症状期間を短縮できる可能性があります。

神戸市にお住まいで、急な発熱やのどの違和感を感じた際は、かかりつけ医や発熱外来を実施している医療機関へご相談ください。当院でも、感染対策を徹底した上で、発熱患者様の診療・検査を行っています。


出典・リファレンス(References)

記事情報の信頼性を担保するため、以下の公的機関および学会の情報を参照しています。

  1. 厚生労働省

    • 「インフルエンザ(総合ページ)」

    • 「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」

  2. 一般社団法人 日本呼吸器学会

    • 「呼吸器感染症に関するガイドライン」

  3. 神戸市保健所

    • 「神戸市:新型コロナウイルス感染症・季節性インフルエンザについて(受診・相談センター情報)」

    • 「神戸市内の救急医療体制について」

一覧へもどる

INFORMATION

神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニック

Tel.078-945-7125

〒650-0012
兵庫県神戸市中央区北長狭通4丁目1−2

アクセス
JR元町駅東口を出て徒歩1分
阪神元町駅東改札口を出て徒歩2分
注意事項
※当院はビルの2階から4階ですが、エレベーターがありません。お足元が不自由な場合はご連絡ください。
また、院内ではマスクの装着をお願い致します。お持ちでない場合は、一枚10円で窓口で販売しておりますので、お買い求めください。
診療時間表

pagetop