コロナに感染したから咳が出ているだけとは限らない
7月、8月と新型コロナにまた感染した方が多くおられましたが、少し減少傾向となっている印象にあります。
その一方で増えているのが、コロナや風邪などに感染したあと、咳の症状だけが長引いて続いていると訴えられる方です。
咳止めや痰切りなどの内服薬を使用していても改善しない場合に考えられる疾患として、①実はコロナ肺炎になっていた②実は喘息に罹患していた、などがあります。
気管支喘息とは、感染症やアレルギーなどをきっかけに、気管支の表面の粘膜で炎症が引き起こされてしまい、気管支が収縮して狭くなっている疾患のことを言います。
ウイルスや細菌感染によって起こる「急性気管支炎」は感染症ですが、気管支喘息は様々な原因によって生じる、言わば「火事」のような状態と考えると分かりやすいでしょう。
喘息になってしまうと咳止めを内服するくらいでは症状は治まらず、夜寝ている時にも咳が止まらなくなったり、呼吸が苦しくてぜーぜー、ヒューヒューと言った音が息をする度に聞こえてきたりします。
昔は喘息に対する良い治療薬がなく、呼吸状態が悪化して死亡される方も多かったのですが、今は吸入ステロイドを中心とした良い治療薬が開発されたため随分と楽に生活される方も多くなりましたが、それでも苦しまれている患者さんの数はまだまだ多くおられます。
当院では、呼吸機能検査、呼気NO検査、血液検査などを組み合わせて患者さんの喘息発症の原因を明確にし、また、吸入薬もただ処方するだけではなく、吸入指導を徹底することによって治療効果を最大まで引き上げることを目指しています。
咳の症状でお困りの方は、吸入治療を用いることで非常に楽になる可能性がありますので、ぜひ一度当院を受診していただければと思います。