コロナワクチン2回接種後の感染(ブレイクスルー感染)について

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2021,08,05

コラム

コロナワクチン2回接種後の感染(ブレイクスルー感染)について

ウイルス

「ワクチン接種しても感染しうる」は本当か

全国的にコロナワクチンの接種が進められていますが、接種される皆さんが気になっていることでよく聞かれるのは「2回接種が済んだら本当に感染しないのか」ということです。

過去にも当院の記事で、ファイザー社・モデルナ社のコロナワクチンの接種を2回行った場合は95%の効果を示すということをお伝えしておりましたが、今は昔、変異株の流行によって状況は変わりつつあります。

New England Journal of Medicine(NEJM)という医学雑誌のオンライン版2021年7月28日号掲載の報告で、2回接種後の感染「ブレイクスルー感染」、つまり、「ワクチンを接種したのにコロナにかかっちゃうこと」について書かれていたので噛み砕いて報告します。

BNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer-BioNTech製)を完全接種した健康な医療従事者1497例のうち、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)へのブレイクスルー感染が認められたのは39例で、いずれの感染者も非感染者に比べて、感染前(SARS-CoV-2検出前1週間以内)の中和抗体価が低いことが、イスラエル・Sheba Medical Center Tel HashomerのMoriah Bergwerk氏らによる検討で示されました。

つまり、簡単に言うと、ワクチン接種した後にどれくらいの抗体価がついたかによってブレイクスルー感染を起こすか起こさないか、分かれるということです。

ブレイクスルー感染を起こした人は、起こさなかった人と比べて抗体価が低かったようです。

ただ、検査によって検出されたウイルス85%が、B.1.1.7株(α株、イギリス株)だったとのことで、現在地球上で流行しているδ株っとは異なるようなので、現在の状況とは既に変わってきているのかもしれません。

 

日本国内でのワクチン接種後の感染の報告

また、一方で、7月21日開催の第44回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで、国立感染症研究所感染病理部の鈴木 忠樹氏が、「新型コロナワクチン接種後に新型コロナウイルス感染症と診断された症例に関する積極的疫学調査(第一報)」について報告しており、2回目接種後の新型コロナウイルスへの感染についてまとめたものを報告されました。

  • 2021年4月1日~6月30日までに130例(うち2回目接種後14日以降67例)が報告されている
  • 年齢中央値は44.5(20~98)歳、男性37例(28.5%)、女性93例(71.5%)であった。
  • 免疫不全のある者(原発性免疫不全症、後天性免疫不全症候群など、免疫不全の診断を受けた者)はいなかったが、ステロイド等の免疫抑制剤の使用歴は3例(2.4%)で認めた。
  • 重症度は、65例(50%)が無症状、60例(46.2%)が軽症、5例(3.8%)が中等症で、重症例はいなかった。
  • 一部の症例では感染性のあるウイルスが気道検体中に検出されたことから、二次感染リスクも否定できない

とのことです。

δ株の流行により、このデータが必ずしも通用するとは限りません。

なので、2回打ったから絶対安心とは言い切れないかもしれません。

しかし、打たないよりも打つ方が確実に有利ということは間違いないでしょう。

出典
Bergwerk M et al.N Engl J Med.2021Jul28.
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2109072

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