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2026,01,25

コラム

寝ている間の無呼吸を「飲み薬」で治せる? 画期的な臨床試験の結果

睡眠時無呼吸症候群の悩みと、新しい「飲み薬」への期待

睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、眠っている間に空気の通り道がふさがり、何度も呼吸が止まってしまう病気です。

日本には数百万人の患者がいると言われていますが、放置すると日中のひどい眠気で事故を起こしたり、心臓病や脳卒中などの重大な病気を引き起こしたりする危険があります。

現在は、寝るときに専用のマスクをつけて空気を送り込む「CPAP(シーパップ)療法」が一般的ですが、毎晩マスクをつけるのがわずらわしく、治療を続けられない人も少なくありません。そんな中、今回の研究では「寝る前に飲む薬(スルチアム)」が、この病気の症状を改善する可能性を示しました。この研究は、Randerath氏らの研究グループによって行われ、詳細は2025年10月25日(オンライン公開は29日)付の『The Lancet』に掲載されています。

ヨーロッパで行われた臨床研究「FLOW試験」の内容

スルチアム(商品名:オスポロット)は、てんかんに対して使用される薬剤で、呼吸器内科ではあまり馴染みのない薬です。

「FLOW試験」と呼ばれる臨床試験の研究が、ヨーロッパ5カ国の28の病院で協力して行われました。

対象となったのは、CPAPなどの治療を受けていない、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さん298人(18歳~75歳)です。

研究チームは、参加者を4つのグループに分けました。1つ目は薬の成分が入っていない「偽薬(プラセボ)」を飲むグループ、残りの3つは「スルチアム」という薬をそれぞれ異なる量(100mg、200mg、300mg)で飲むグループです。

これらを就寝前に1日1回、12週間にわたって服用してもらい、呼吸の状態がどう変化するかを詳しく調べました。

呼吸が止まる回数が大幅に減少! 気になる副作用は?

 3カ月間の調査の結果、スルチアムを服用したグループでは、偽薬を飲んだグループと比べて、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする回数が明らかに減っていることがわかりました。

特に、200mgと300mgを服用した人たちでは、呼吸が止まる回数が30%以上も減少し、血液中の酸素不足の状態も改善されました。さらに、200mgを服用したグループでは、この病気特有の「日中の強い眠気」も改善する傾向が見られました。

一方で、副作用として手足がピリピリするようなしびれ(知覚異常)などが報告されましたが、その多くは軽度なもので、重篤な健康被害はほとんど見られませんでした。

この研究結果は、これまでCPAPによる治療が中心だった睡眠時無呼吸症候群に対して、将来的に「寝る前に薬を飲むだけ」という、とても手軽な治療の選択肢が増える可能性を示しています。

特に200mgの量を服用した場合に、効果と安全性のバランスが最も良いということがわかりました。

受診の目安から肥満対策まで、知っておきたい4つのポイント

  • いびきや昼間の眠気は病気のサイン
    大きないびきをかいたり、日中に我慢できないほどの眠気を感じたりする場合は、疲れのせいだと決めつけず、早めに呼吸器内科や睡眠外来などの専門医に相談しましょう。

  • 現在の治療(CPAP)を勝手にやめない
    今回の薬はまだ研究段階です。現在CPAP療法を行っている方は、自己判断で中断すると心臓や脳への負担が増してしまうため、医師の指示通り治療を継続することが大切です。

  • 体重管理も立派な治療のひとつ
    肥満はのどの周りに脂肪をつけて気道を狭くし、無呼吸の原因になります。薬への期待は高まりますが、食事や運動で適正体重を保つことも、これまで通り非常に重要です。

  • 新しい薬には副作用もあると知っておく
    もし将来この薬が使えるようになっても、手足のしびれなどの副作用が出る可能性があることを理解し、医師と相談しながら使う心構えが必要です。

大きな希望が見えた新薬、実用化に向けたこれからの道のり

本研究により、てんかんの薬などとして知られる「スルチアム」が、睡眠時無呼吸症候群の新しい治療薬になるかもしれないという大きな希望が見えてきました。CPAPのマスクが苦手で治療に困っていた患者さんにとっては朗報ですが、これはまだ「第2相試験」という中間の段階です。

今、睡眠時無呼吸症候群の患者さんに処方することはできませんが、さらに多くの患者さんを対象とした大規模な試験を行い、長期間使っても安全か、効果が続くかなどを慎重に確認されれば、治療の選択肢として増えるかもしれません。

【引用】 Randerath W, et al. Sultiame once per day in obstructive sleep apnoea (FLOW): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, dose-finding, phase 2 trial. Lancet, 2025, 406, 10517, p.Online. (Online).

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