「いびき」は危険なサイン?睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療・費用を解説

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2025,12,10

コラム

「いびき」は危険なサイン?睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療・費用を解説

ご家族から「寝ている時に息が止まっている」「いびきがうるさい」と指摘されたことはありませんか?

あるいは、しっかりと睡眠時間をとっているはずなのに、日中に強烈な眠気に襲われたり、朝起きた時に頭痛がしたりすることはないでしょうか。

もし心当たりがあるなら、それは単なる「いびき」ではなく、「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」という病気かもしれません。

SASは睡眠の質を下げるだけでなく、高血圧や脳卒中、心筋梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めることがわかっています。

この記事では、SASの症状、リスク、そして検査やCPAPなどの治療法と費用についてを呼吸器専門医の視点から、分かりやすく解説します。

ただの「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の違い

いびきは、睡眠中に喉の奥(気道)が狭くなり、空気が通る時に粘膜が振動して出る音です。

お酒を飲んだ日や疲れている時だけかく「一時的ないびき」であれば、過度な心配はいりません。

しかし、毎晩のように大きないびきをかき、さらに「呼吸が止まる」状態が繰り返される場合は、治療が必要なSASの可能性が非常に高いと言えます。

こんな症状はありませんか?(セルフチェック)

以下の項目に当てはまる数が多いほど、SASの疑いがあります。

  • 家族に「いびきがうるさい」「息が止まっている」と言われる

  • 昼間の会議や運転中に、耐え難い眠気に襲われる

  • 朝起きた時、口が渇いている、喉が痛い

  • 熟睡感がなく、体がだるい

  • 夜中に何度もトイレに起きる

  • 最近、血圧が高くなってきた

放置すると怖い合併症

「たかがいびき」と放置するのは危険です。

睡眠中に呼吸が止まると、体内の酸素濃度が低下し、心臓や血管に大きな負担がかかります。

その結果、以下のような合併症のリスクが跳ね上がります。

  • 高血圧: 交感神経が刺激され、血圧が上昇します。

  • 心血管疾患: 心筋梗塞や狭心症のリスクが約2〜3倍になると言われています。

  • 脳卒中: 脳梗塞や脳出血のリスクを高めます。

  • 糖尿病: 睡眠不足は血糖値のコントロールを悪化させます。

また、日中の眠気は居眠り運転事故の原因にもなり、社会的なリスクも無視できません。

SASの原因は肥満だけじゃない?日本人に多い理由

「睡眠時無呼吸症候群=太っている人の病気」というイメージがあるかもしれません。

確かに肥満による首回りの脂肪沈着は大きな原因の一つです。 しかし、私たち日本人は、痩せていてもSASになりやすい特徴を持っています。

その理由は「あごの形(骨格)」です。 欧米人に比べて日本人はあごが小さく後退しているため、もともと気道のスペースが狭い傾向にあります。

そのため、少しの体重増加や、加齢による筋力低下、仰向け寝によって舌が落ち込むことで、容易に気道が閉塞してしまうのです。

「太っていないから大丈夫」と過信せず、症状があれば検査を受けることが大切です。

診断までの流れ:自宅でできる検査から精密検査まで

「検査入院が必要なの?」と不安に思われるかもしれませんが、まずは自宅でできる簡易検査からスタートするのが一般的です。

  1. 問診・診察: 症状や生活習慣をお伺いします。

  2. 簡易検査(自宅): 指先にセンサーを装着し、睡眠中の酸素濃度や脈拍を測定する機器を貸し出します。ご自宅でいつも通り寝ていただくだけで検査可能です。

  3. 精密検査(PSG検査): 簡易検査でSASの疑いがある場合、脳波なども含めたより詳しい検査(ポリソムノグラフィー)を行います。これも入院せず、自宅で検査可能な場合や、提携病院(当院の場合は神戸労災病院)での1泊検査をご案内する場合があります。

治療のゴールドスタンダード「CPAP療法」とは

中等症〜重症のSASと診断された場合、最も推奨される治療法が「CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)」です。

寝ている間に鼻マスクを装着し、機器からエアチューブを通じて一定の圧力をかけた空気を送り込みます。

この空気の圧力(陽圧)が、狭くなった気道を押し広げ、睡眠中の無呼吸を防ぎます。

CPAP療法の効果

治療を始めると、多くの患者さんが劇的な変化を実感されます。

  • 朝の目覚めがスッキリする

  • 昼間の眠気がなくなる

  • 血圧が安定する

  • 夜間のトイレ回数が減る

気になる費用について(保険適用)

CPAP療法は健康保険が適用されます。

自己負担額(3割負担の方)は、診察料や機器のレンタル料を含めて、月額4,500円〜5,000円程度が目安です。 ※機器は購入ではなく、毎月のレンタルとなります。1か月から3か月に1回の定期受診が必要です。

神戸市でいびき治療・SAS検査なら当院へ

いびきや無呼吸は、ご自身だけでなく、ご家族の睡眠も妨げてしまう問題です。

また、将来の大きな病気を防ぐためにも、早期の発見と治療が欠かせません。

当院は神戸の中心地に位置し、お仕事帰りや買い物のついでに通いやすいクリニックです。

「検査機器をつけて寝るだけで本当にわかるの?」といった疑問でも構いません。

呼吸器の専門家が、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療をご提案いたします。

睡眠の質を変えて、毎日をより元気に過ごしませんか?まずは一度、お気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 検査は痛いですか?

A. いいえ、痛みはありません。簡易検査は指先や鼻の下にセンサーテープを貼るだけですので、普段通りにお休みいただけます。

Q. CPAPをつけると眠りにくくないですか?

A. 最初は違和感があるかもしれませんが、多くの方が1〜2週間で慣れていきます。マスクの種類や空気圧の調整も可能ですので、医師やスタッフにご相談ください。

Q. いびきをかかない無呼吸もありますか?

A. はい。「隠れ無呼吸」とも呼ばれ、いびきが目立たなくても呼吸が止まっている場合があります。日中の強い眠気や熟睡感の欠如がある場合は注意が必要です。

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INFORMATION

神戸元町呼吸器内科・アレルギークリニック

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〒650-0012
兵庫県神戸市中央区北長狭通4丁目1−2

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